Vercel(ヴァーセル)

評価のまとめ

本カテゴリ・項目★
開発編 アプリ開発者向けAIツール大全 サーバー・ホスティング 世間の評判 ★5(5段階)

★は、世間の評判をもとに筆者がまとめた評価です。 ★の付け方

Vercelの公式サイト(新しいタブで開きます)

開発編 アプリ開発者向けAIツール大全/サーバー・ホスティング(Chapter 9)

Vercel (サーバー・ホスティング)

世間の評判 ★5(5段階) 11月5日版で更新

料金

無料のHobbyプランあり(ただし個人の非商用利用限定)。商用利用は月額20ドルのProプランから。この20ドルには開発者1人分の席と20ドル分の使用クレジットが含まれ、それを超えた分は従量課金になります。クレジットはチーム単位で、毎月使い切りです。

2026年11月5日版の情報です。最新の料金は公式サイトでご確認ください。

特徴

Vercel(ヴァーセル)は、Webアプリの公開サービスの代表格です。

世界で最も人気のあるWebアプリの作り方「Next.js(ネクストジェイエス)」の開発元でもあり、AIコーディングツールにWebアプリを作ってもらうと、かなりの確率でこのNext.js+Vercelという組み合わせが提案されます。

つまり、AIが最も慣れている環境だということです。

使い方も驚くほど簡単で、コードの置き場所であるGitHub(Chapter 16で紹介します)と連携しておけば、コードを更新するたびに自動で公開内容も更新されます。

「保存したら数十秒後には世界中から見られる」という体験は、一度味わうと元には戻れません。東京にもサーバー拠点があるため、日本のユーザー向けアプリでも表示が速いのが利点です。

さらに、公開前の内容を確認できるプレビュー機能、アクセス数を見る解析機能、画像の保存機能(Chapter 11参照)まで揃っており、個人開発者から大企業まで広く使われています。

2026年7月には認証ライブラリのBetter Auth(Chapter 12参照)の開発元も買収し、周辺領域への影響力を強めています。

料金面で1つ、2026年9月9日に変更がありました。公開前のサイトにパスワードをかける機能(Password Protection)が、Proプランでは1プロジェクトあたり月20ドルの課金に変わったのです。以前はチーム全体をカバーする月150ドルのオプションでしたので、保護したいプロジェクトが少ない方は安く、8つ以上ある方は高くなります。

さらに10月9日には、Proプランで「公開した履歴(デプロイ)」を保存しておく料金も、すべてのチームに請求すると発表されました(1GBあたり月0.1ドル。請求が始まる日は、メールで案内されます)。あわせて、2026年10月23日からは、30日より古い公開履歴が自動で消されるようになりました(今公開している版などは残ります)。消えた履歴を使って、前の版に戻すことはできません。AIに何度も公開させていると、履歴はすぐに増えます。「前の版に戻したいことがある」という方は、設定画面で保存期間を確認しておいてください。

もう1つ、安全の話です。2026年9月22日、Next.jsに、外から悪用されると深刻な被害につながる欠陥が見つかり、修正版の16.3.6が公開されました。対象はバージョン16.2.0〜16.3.5で、SNSでシェアされたときに表示される画像を自動で作る機能(ImageResponse)を使っている場合です。AIにアプリを作ってもらうと、この機能は知らないうちに組み込まれていることがよくあります。この欠陥も、このあと説明する最新の修正版(16.4.5以上)に更新すれば直ります。

さらにNext.jsの開発チームは、9月30日に定例のセキュリティ更新として16.3.8と15.5.27を出しました(9月29日に出た16.3.7は別の不具合を直した版で、安全のための修正は入っていません)。ただし、直ったのは予告されていた9件のうち7件だけで、いちばん重い「深刻」の1件と、「高」の1件は、外部の部品の都合で先送りになりました。その後10月8日の予告どおり、この2件を含む3件(「深刻」2件・「高」1件)を直す臨時の修正版、16.4.1と15.5.28が、10月14日(米国時間。日本では15日の未明)に出ました。「深刻」の2件は、どちらも条件がそろうと、ログインなしで外から勝手にプログラムを動かされるおそれがある欠陥で、公式はすぐに更新するよう呼びかけています。

直った7件の中には、外部の画像を表示する設定(images.remotePatterns)を使っているアプリに関わる「高」の欠陥も含まれています。AIに作らせたアプリには、この設定がよく入っています。今からなら、AIに「Next.jsを16.4.5以上(15系なら15.5.29以上)に更新して、公開し直して」と頼んでください。16.3系や14系以前の版には今回の修正版が出ていないので、16.3.8などのままでは直りません。

番号だけを見て「更新したから大丈夫」と思わないこと。バージョンの番号を覚える必要はありません。AIに「今使っている版の最新の修正版に更新して、セキュリティの修正が入っているかも確認して」と頼む習慣をつけてください。2026年11月3日には、VercelのProプラン以上で、GitHubにコードを送るたびに弱いところを調べる「Vercel Security Review」が試験公開されました(チームのAgentの設定でオンにします。11月10日までは無料で、その後はAIの利用料に応じて課金されます)。なお、10月6日に出たNext.js 16.4からは、使っている版に欠陥が見つかると、開発中の画面で知らせてくれる仕組みが入りました(試験的な機能で、最初からオンになっています)。さらに2026年11月3日(米国時間)には、定例のセキュリティ更新として16.4.5と15.5.29が出ました。直った欠陥は7件で、危険度は「高」が1件、「中」が6件です。「高」の1件は、Cache Components(表示内容を一時的に保存する機能)を使うアプリで、条件がそろうと、別のお客様のデータが見えてしまうおそれがあるものです。AIに「Next.jsを今使っている版の最新の修正版に更新して」と頼んでください。

世間の評判

日本の個人開発者の間では「まず無料枠で十分」が定説で、「1週間で5万アクセスが来ても無料枠で捌けた」という体験談もあるほど無料枠は実用的です。

公開までの簡単さは世界的にも別格の評価を受けており、「他社のサービスで数時間かかった作業が5分で終わった」という声は珍しくありません。

AIコーディングツールとの相性の良さも、非エンジニアにとっては見逃せない利点です。

一方で、海外では「従量課金で高額請求が来た」という請求事故の報告が繰り返し話題になっており、恐れられている面もあります。

アクセスが急増したり、悪意ある大量アクセスを受けたりすると、想定外の費用が発生する構造だったためです。

現在は使用額の上限で自動停止する設定(Spend Management)が用意されているので、有料プランにする際は契約したその日に必ず設定してください。

そしてもう1つ、極めて重要な注意点があります。無料のHobbyプランは規約で商用利用が禁止されているのです。

しかもこの「商用」の範囲が、あなたの想像より広いことに注意してください。Vercelの規約では、訪問者から支払いを受け取る場合だけでなく、サイトを作る報酬を受け取っている場合も商用扱いです。広告の掲載も含まれます(なお、寄付を募るだけなら商用にはあたりません)。

お客様からお金をいただくアプリを載せるなら、最初からProプランを契約しましょう。この2点さえ守れば、最初の公開先としてこれ以上の選択肢はありません。

同じカテゴリのほかのツール

開発編 サーバー・ホスティング(★の多い順)

  • Cloudflare 世間の評判 ★4(5段階)
  • Render 世間の評判 ★4(5段階)
  • Coolify 世間の評判 ★4(5段階)
  • Expo 世間の評判 ★4(5段階)
  • Netlify 世間の評判 ★3(5段階)

サーバー・ホスティングの一覧を見る(6件)

電子書籍でも読めます

このページの内容は、電子書籍(PDF)と同じです。スマホで読みやすい版と、音声解説もあります。