Expo(エキスポ)
評価のまとめ
| 本 | カテゴリ・項目 | ★ |
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| 開発編 アプリ開発者向けAIツール大全 | サーバー・ホスティング |
★は、世間の評判をもとに筆者がまとめた評価です。 ★の付け方
開発編 アプリ開発者向けAIツール大全/サーバー・ホスティング(Chapter 9)
Expo (サーバー・ホスティング)
料金
Expoそのもの(アプリの土台)はオープンソースで、無料で使えます。ビルドやストアへの申請をクラウドで行うEASには、無料のFreeプランがあります(AndroidとiOSそれぞれ15回までのビルドで、毎月リセット。アップデートの配信は月1,000人まで)。有料は、Starterプラン(月額19ドル+使った分。45ドル分のビルド枠つき)、Productionプラン(月額199ドル+使った分。225ドル分のビルド枠つき)などです。
2026年11月5日版の情報です。最新の料金は公式サイトでご確認ください。
特徴
Expo(エキスポ)は、iPhoneとAndroidの両方で動くスマホアプリを、1つのコードで作るための「土台」です。
正確には、「React Native(リアクトネイティブ)」というスマホアプリの作り方を、ぐっと使いやすくした道具一式(フレームワーク)です。React Nativeの公式ドキュメントも、新しくアプリを作るならExpoのようなフレームワークを使うよう勧めています。
あなたがExpoの使い方を覚える必要はありません。Claude CodeやCodex(Chapter 2)でスマホアプリを作っていて、AIが「Expoで作ります」と言ってきたら、この項を思い出してください。
Expoでできることは、大きく分けて3つです。
1つめは、Expo Go(エキスポ ゴー)というスマホ用のアプリです。作っている途中のアプリを、自分のスマホですぐに試せます。ただし公式は、Expo Goを「練習用の場所」と位置づけていて、本番のアプリづくりには向かないと説明しています。本番のアプリでは、あなたのアプリ専用の試し版(development build)に切り替えます。
2つめは、EAS(イーエーエス。Expo Application Services)です。Expo社のクラウドで動くサービスで、中心になるのは次の3つです。
- EAS Build — ストアに出せる形のアプリを、クラウドで組み立てます(ビルド)。iPhoneアプリの組み立ては、Expo社のクラウドにあるMacで行われます。アプリに付ける「署名」(本物の作り手だと証明する印)の管理も任せられます。
- EAS Submit — できたアプリを、App StoreとGoogle Playの管理画面へ送ります。WindowsのパソコンからでもiPhoneアプリを送れます。iPhoneアプリは、まずテスト配信の場(TestFlight)に届くだけで、自動で一般公開されるわけではありません。
- EAS Update — 公開した後の小さな直し(文字・見た目・画像など)を、ストアを通さずに配れます。
ここで1つ注意があります。EAS Updateで配れないものもあります。カメラや位置情報などの許可、スマホ本体の機能に関わる部分(ネイティブのコード)、Expoの版の更新です。これらは、ビルドし直してストアの審査に出します。
Expo自身も、アプリの動きを変えるときは、たいてい審査が必要だと説明しています。Appleの審査ガイドライン(2.5.2)も、アプリの機能を足したり変えたりするコードを、あとから読み込んで動かすことを認めていません。
EAS Updateは、誤字や不具合の直しに使うものだと考えてください。ストアに出すまでの費用と決まりごとは、このすぐ後のコラムで説明します。
3つめは、AIコーディングツールとの連携です。
2026年5月26日から、AIにExpoの公式ドキュメントやビルドの状況を読ませる「Expo MCP Server」が、無料プランでも使えるようになりました(月ごとの上限があり、超えるとエラーになります)。8月13日には、このExpoの接続がClaudeのコネクタの一覧に加わりました。Claude Codeのほか、claude.ai、デスクトップ版、スマホ版、Coworkでも使えます。
Expoの発表では、つないだClaudeへの頼み方の例として、iPhoneアプリのビルドを始める、TestFlightに送る、App Storeのレビューに返信する、などが挙げられています。レビューへの返信は誰でも見られる場所に出るため、Claudeは投稿する前に文面を見せてくれます。
さらに、2026年10月15日に出た最新版のSDK 58(中身のReact Nativeは0.88)では、AIコーディングツール専用の道具「@expo/agent-cli」が加わりました(試験版)。Expo Goで動くかどうかの確認、開発用サーバーの起動、基本的な動作だけを手早く確かめるテスト(スモークテスト)、AIへの手順書(スキル)の準備などを、AIが自分で行えます。
Expoが用意しているスキルもあります。たとえば「expo-upgrade」は、Claude Codeなどに、Expoの版を上げる作業を任せるためのスキルです。
最後に、2026年11月5日時点で知っておきたい注意点を3つ挙げます。
1つめは、ログインです。2026年9月3日から、iPhone版のExpo Goで開発中のアプリを動かすには、パソコン側とExpo Goの両方で、同じExpoのアカウントにログインする必要があります(アカウントは無料で作れます)。発表の時点ではiPhone版だけが対象で、Android版も後から対象になる予定です。
2つめは、iPhoneで試すときの費用です。Expoの公式の手順書(2026年8月17日更新)では、iPhoneでExpo Goを使う方法として、Apple Developer Program(年99ドル)に入り、自分用のExpo Goを組み立ててTestFlight(Appleの試験配布)で入れる手順が案内されています。App StoreにもExpo Goは並んでいますが、公式の手順どおりに進めるなら、この段階から年99ドルがかかると考えておきましょう。Androidのスマホについては、このような条件は書かれていません。
3つめは、版の合わせ方です。SDK 58用のExpo Goは、SDK 58で作ったアプリしか動かせません。App Storeでは(日本・米国とも)、10月22日にSDK 58に対応したExpo Go(58.0.5)が出ています。古い版で作ったアプリが開けなくなったら、AIに「Expoを最新のSDKに上げて」と頼んでください。
世間の評判
React Nativeの公式が勧める、スマホアプリづくりの定番です。Expo Goは、米国のApp Storeで5点満点中4.8(約7,800件の評価)、日本のApp Storeでも4.7(647件の評価)と高い評価を受けています(いずれも2026年11月5日時点)。
海外の開発者が集まる掲示板Hacker Newsでは、「EASのおかげで、Macを買わなくても、Appleの開発ソフト(Xcode)がなくてもiPhoneアプリを出せた」という声が、2021年から2025年にかけて繰り返し書き込まれています。2026年9月29日にも、Claude Codeに大半のコードを書かせて、Expoでスマホアプリを作ったという書き込みがありました。日本のZennでも、Expoのタグが付いた記事が607本あります(2026年11月5日時点)。
一方で、弱点もはっきりしています。無料プランのビルドは後回しの列に並ぶため、混んでいる時間には90分以上待つことがあると、公式の料金ページに書かれています。
また、Expoの説明はEASを使う前提で書かれていて、EASを使わない方法が分かりにくいという声もあります(2023年)。ストアを通さない更新(EAS Update)を使うと、Appleにアプリを削除されないか心配だという書き込みもありました(2025年12月)。画面と公式ドキュメントは英語です。
良い点もあります。無料プランでは、上限を超えても追加の料金は請求されません。この章のコラムで説明する「青天井の請求」の心配がない点は安心です。
世間の評判をまとめると、「AIと一緒にiPhoneとAndroidのアプリを作るなら、まず土台にする定番。ただし、公式の手順どおりならiPhoneで試す段階から年99ドルがかかり、版の更新にも付き合う必要がある」というところです。
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開発編 アプリ開発者向けAIツール大全
2026年11月5日版